陶芸知恵袋
電気窯で還元焼成
 

陶芸には数多くの段階がありますが、焼成はもっとも大切な工程のひとつです。昔は薪窯・のぼり窯などを使い、数日間、時には数ヶ月をかけて焼き物の誕生を祈るように焼成を行っていたものです。今ではガスや灯油・電気などの窯が登場し、中でも、電気窯は設置や操作方法などが容易で、気軽に焼成が可能なため、高い人気があります。

ただ、電気窯の場合は酸化焼成が基本で、使い始めはそれでも大いに満足するものですが、レベルが上がってくると次第に物足りなくなり、薪窯風の作品や還元焼成に魅力を感じるようになってきます。

今回は、そんな魅力のある還元焼成を電気窯とプロパンガスバーナーを使って行う、基本的なテクニックをご紹介いたします。実際には、土や釉薬の種類、期待する焼き上がりや色、人によってもその方法は色々とあるのですが、もっともベーシックな方法として参考にしてください。


   
◎焼成前の注意点

・還元焼成をする際は、窓を開けたり、換気扇をまわしたり、特に換気に注意しましょう。
・炎を使いますので、特に回りに燃えやすいものがないか注意しましょう。
・使用するガスボンベもできる限り窯から離しましょう。
・ガスボンベやホースに故障個所などがないか、ガスの量は十分あるか確認しましょう。
・使用する電気窯は還元孔などの必要な構造を持ち、還元焼成に対応していることが必要です。また、ガスや炎は電気窯の熱線を大きく劣化させます。お使いの窯の熱線が還元に対応しているかも確認しましょう。
・還元焼成中は、万が一のため、窯のそばから長時間離れることのない様、時間や予定も確認しましょう。

 
◎今回使用する窯・バーナー
 
ファニーDLM-4060
ファニー用還元バーナー
プロパンガスボンベ(参考)

 

その他として下記のものを用意しましょう
・ 着火器(ライターより大き目のもの)
・ 天蓋の穴を閉じる際の支柱

また、バーナーは事前に窯の還元孔に火口が納まるよう、高さを調節しておきましょう。

※使用する窯やバーナー特有の説明や数値も出てきますので、それらの部分は参考としてください。
※また、通常の酸化焼成と違いのない作業は割愛しています。


1.一般的な還元開始は炉内温度が850℃前後から始めます。
圧力調整器をガスボンベのガス取り出し口にしっかりと取り付け(ネジを左に回す)、ガスボンベの元バルブを開きます。

2.圧力調整器のネジを回して、ゲージの指針を0.008MPaの目盛に合わせます(ガス圧調整器の種類によっては単位がMPa(メガパスカル)でないものもあります。その場合は、調整器の製造元へ0.008MPaと同等の数値を確認してください)。

3.バーナー側のバルブを開くの方向に全開にして、バーナーの火口からガスを出し、火口を安全な方向に向けてから、横から着火器で点火します(ボッと火がつきますので注意。正面からはつけないよう注意)。

4.次に、バーナーの根元にある二次空気調整弁を閉じた状態から1回転ほどまわし、赤い炎から青白い炎に変わるところまで空気の量を調整します。

 
5.窯の還元孔をはずし、素早くバーナーの火口を還元孔に差し込みます。炎が外に出ない程度。
6.炉内温度が1050℃くらいで天蓋の小穴から還元の炎が現れてきます。
7.1100℃くらいになると、炎は10〜15cm程度出てきます。

8.炉内温度が1200℃に達したら、還元を終了します。ガスボンベの元バルブを閉めてから、バーナー側のバルブを閉めます。

 

9.還元孔からバーナーを抜き取って栓をし、天蓋の小穴を支柱などでふさぎ、その後の焼成を続けます。

10.焼成終了後、炉内温度が十分に下がってから、上蓋を少しずつ開けます。
11.還元できれいに焼けた磁器です。
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