陶芸知恵袋
急須をつくろう!(1)
実技指導●鈴木寿一
急須づくりの急所
急須は四つのピースを組み合せてつくるためと、実用品だけに、大げさにいえば人の手の骨格と関接の動き、力学的な重心の移動の問題を克服していなければならない。
青梅市の陶芸家・鈴木寿一さんは、急須づくりでは定評のある作家である。使いやすく、理にかなった急須づくりのポイントと作陶法を紹介していただいた。
鈴木さんの急須を上から 鈴木さん作の土瓶
1.注ぎ口と取っ手の角度は85〜80度
急須の注ぎ口と取っ手の角度は、90℃ではなく、80〜85度が適切であるといわれる。これは、人の手首のスムーズな回転角度に合わされているためで、この角度の急須でお茶を注いだとき、急須の重心の位置がもっとも移動しないからである。
急須は薄く軽くつくることが基本なのは、お湯を入れたとき当然重くなり、重心の位置が移動すると意外と注ぎにくいものである
2.取っ手で立つ急須はよい急須
これはよくいわれることだが、このことも実は右の重心の位置の移動が少ないからである。もっとも点線のように取っ手を大きくすれば、当然立ちやすくなる
3.注ぎ口の高さは、口縁と平行な位置
4.注ぎ口の位置が低すぎると、お湯を入れたときにこぼれてしまう
5.注ぎ口の傾斜角度は、注ぐとき下向きになるように
水は流体で、重力で当然下に落ちると同時に、注ぐ途中で戻したとき、元へ戻ろうとする動きをする。このとき注ぎ口の角度が上向きになっていると、垂れ(尻もれ)やすくなってしまう
玉露などの高級煎茶を入れる小さな急須、また中国のウーロン茶などの本格的な入れ方では、入れたお茶を一気に全部出してしまうので、急須の注ぎ口の角度にそれほどこだわらないものです。

実際に、本場のウーロン茶の急須を使って途中で戻してみると、水切れが悪くボタボタと水が垂れてしまうものがあります。

しかし、日本の緑茶を入れる一般的な急須では、まず水切れの良いことが第一条件になります。それには前述の注ぎ口と取っ手の角度はもちろん、注ぎ口の先の取りつけ角度も大切な要素です。
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