陶芸知恵袋
壷形の花器づくり(1)
指導●榎本洋二 丸沼陶芸倶楽部主任(埼玉県朝霞市)
口の小さい壷形の花器は、かたち的にはありふれていますが、そのロクロ成形は難しい部類に入ります。高さ10cm程度の小さなものなら作れるという人も、高さ30cm、50cmではどうでしょう。この大きさでは使う粘土の量も3キロ、10キロと多くなり、とても初心者の手におえるものではありません。ロクロ成形の高度なテクニックが要求されます。この難易度の高い壷形の花器づくりのポイントを、丸沼陶芸倶楽部主任の榎本さんに指導していただきました。ロクロ引きをある程度やり慣れた方の中には、少し大きめの花器づくりをと考えている方も多いことでしょう。この特集を参考に、大きな壷づくりのコツをつかんで下さい。
1. 高さ30cm程度の花器では、使う土も3キロ前後に。この大きさでは、最初から土ごろしするのは難しい。まず、ロクロの真ん中に粘土を置いて、げんこつで叩いて碗形にする。
2.細いピンなどを底に刺し、高台の削りシロの厚さ(今回は3cm程度)を把握しておく。
3.ある程度の大きさになったら、全体に適量の水かけてロクロ成形に入る。初心者はここから土ごろしに入る。
4.裾広がりの形に維持しながら、徐々に高さを増していく。
5.このときのロクロは、外側を手でしっかり押さえながら、内側にもう一方の手を入れて指を引っかけるようにして底から上へと引いていく。

6. 内側の手を徐々に上へと移し、底に近い腰の部分の土を上へ上へと引き上げていく。これをやらないと、ぼてっとした形の作品になってしまう。
7.手がまだ届く深さのうちに、丸めた雑巾を使い、底の部分を平らに仕上げておく。

8  わずかに裾広がりな形になるようにしながら、同じ要領でどんどん高さを増していく。
9 高さが20cmぐらいになったら、今度は腰の部分に両側から手を当て、力を入れて絞るようにしながら細い筒状にしていく。
 
10.外側と内側を押さえながら、土を引き上げるようにして十分な高さになるまで引いていく。
11.これを繰り返して少しずつ細く、高く仕上げていく。腰から口まで均一な厚さにすることがポイント。下のほうを引くときに力を入れすぎると、そこが薄くなってヨレやすいので注意。
 
12.口の部分に十分土をもってこないと、最後の段階で良い形の口、力強い口をつくることができない。
13.写真のように内側の手を広げて、外側を押さえながら微妙な加減で引いていくとヨレが生じにくい。
14.筒状のものができ上がったら、次は胴を膨らませる工程に入る。最初は首と肩口に当たる部分を膨らませる。膨らませの工程では、器のへたりや割れを防止するため、水は一切つけないようにする。
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