陶芸知恵袋
早くて、安くて簡単にできる金繕い法伝授(1)
指導●渡辺襄(花峰陶房)
気に入っていた陶器が割れてしまった。ついうっかり物にぶつけてしまって口の一部を欠いてしまった。プロに頼むほどのものでもない。だからそのまましまい込んでしまったり、捨ててしまったという経験はありませんか。しかし、やきものに割れと傷はつきものです、ここではそうしたやきものを修復し、以前とは別のもの再生させる技法、しかも誰にでも簡単にできる方法を紹介しましょう。
ここで紹介する材料は、もともと陶芸材料ではありません。主に釣り具コーナーで販売されている材料です。しかし、非常にすぐれているもので、
本職が時間をかけて仕上げる金繕いと一見して見分けがつかないほど立派に仕上がります。全部揃えても一七〇〇円ほどで足ります。
割れたやきものに価値がないのではなく、新しい粧いで生活の中で使用でき、楽しめればこんなに嬉しいことはありません。ぜひ、あなたの食器戸棚で眠っているやきものを復活させてあげてください。
なお、この他の道具として、パテを焼き縮みによる細かい割れ目に埋め込む時には、歯医者用のムシ歯の穴を掃除したり詰めものをするときに用いる器具があると便利です。
用意する道具
ボンド・エポキシ系接着剤(超速1分型)、チューブA剤B剤
セメダインエポキシ系パテ(10分速硬化型)金属用(灰白色)・・・切って灰色、白色部分を練り合わせると硬くなる。
うるしチューブ型(金色・銀色・朱色などの彩色剤がセットされている)
うるし専用うすめ液
水性ヤスリ
裏面
面相筆(うらしま筆・ラインブラシ)
シャーレ(うるし液に金<真鍮粉末>を溶かして使用する)にふたをしておくと乾かずに保存できる。
金箔
古い骨董もよみがえる
古伊万里の手塩皿。無傷の古伊万里は高価だが、こうした割れ物なら骨董市でも比較的安価で求められる。写真のように金繕いし、青海の紋様を施しておけば、鮮やかな姿でよみがえる。
この古伊万里のポイントの赤絵が古い時代のものであり、呉須絵の線も濃淡が使い分けられているなかなかの作品である。
古伊万里手塩皿。これも200年以上も前の古い伊万里であり、割れた破片をどんな接着剤か分からないが、接ぎ合わせてある。接ぎ口の接着剤が盛り上がっているのが気になるのと、2ヶ所入(ニュー)がはいっているのが残念。いずれにしても、こうした骨董的なやきものも、繕いを前提にすれば安く求められるし、日常使いで古伊万里が楽しめる。
左右30cm以上の木の葉の皿。素焼きの時点ですでに亀裂があり、2ヶ所に亀裂が入り、段差ができてしまってる。こうしたものにもエポキシ系パテを亀裂に埋め込んでおけば再生する。
このままでもかえってうるさくなくていいが、好みによって金繕いにしてもよい。
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